580社3,500プロジェクト(2017年10月現在)以上のAWS移行実績を持つサーバーワークスでは、全社共通の描画ツールとして「Cacoo」を利用しています。開発と営業の間で AWS構成図 を作成するときにCacooのAWSアイコンを活用しているという同社。ご担当者に詳しいお話をお伺いしました。
今回お話をお伺いしたご担当者様(※左から)
クラウドインテグレーション部 プロフェッショナルサービス課 佐竹陽一(さたけ・よういち)氏
サービス開発部 部長 柳瀬任章(やなせ・ひであき)氏
営業部 法人営業課 生井杏奈(なまい・あんな)氏
営業部 マーケティングコミュニケーション課 鈴木楓(すずき・かえで)氏
*リモート参加:営業部 法人営業課 小林孝剛(こばやし・たかよし)氏
導入目的 | AWSの構成図を簡単に作成できて、チームメンバーに共有できる作図ツールが必要 |
課題 | インストール型の作図ツールはチームメンバーに気軽に共有できない。アイコンも限られている |
効果 | CacooのAWSアイコンで図を作成。共有のスピードが大幅にアップ。営業と開発の連携強化。 |
業種 | 情報・通信(IT) |
利用者規模 | 90アカウント(2017年10月時点) |
Cacooを利用している事業部 | 営業部、クラウドインテグレーション部、開発部 |
利用しているヌーラボサービス | Cacoo、Backlog |
目次
580社以上のAWS移行実績をもつサーバーワークスのCacoo活用事例
―――貴社の事業概要について教えてください。
営業部 法人営業課 生井杏奈(なまい・あんな)氏:株式会社サーバーワークスは「クラウドで、世界を、もっと、はたらきやすく」をビジョンに掲げ、AWS(Amazon Web Services)に特化したインテグレーション事業の展開とサービスを提供しています。AWSパートナー制度の最上位である「APNプレミアコンサルティングパートナー」を3年連続で受賞しています。
営業部 法人営業課 小林孝剛(こばやし・たかよし)氏(リモート参加):他にも自社サービスとして、創業当時から運営している大学向けの合否判定サービスや、当社のこれまでのAWS運用ノウハウをサービス化しお客さまへ提供する「Cloud Automator」を開発しています。Cloud Automatorは、はたらきかた改革の一環としてお客様の運用を自動化するツールでもあります。
―――Cacooを使っている業務内容やプロジェクトについて教えてください。
サービス開発部 部長 柳瀬任章(やなせ・ひであき)氏:全社員の90人中9割がCacooのアカウントを持っています。社内の描画ツールはほぼCacooで統一されていて、開発者はもちろん、営業チームも活用しています。総務・経理課とマーケティング課でも一部利用していますが、図をつくる作業が滅多に発生しないので、作図ツール自体の利用がありません。
クラウドインテグレーション部プロフェッショナルサービス課 佐竹陽一(さたけ・よういち)氏:Cacooは営業と開発が特に利用しています。社内のネットワーク構成図からお客様の提案資料まで、すべてCacooで作成しています。また、大阪・東京・福岡・仙台・名古屋の分散拠点で事業を展開しています。
―――Cacooを知ったきっかけを教えてください。
柳瀬氏:Cacooは弊社の開発者がAWSのコミュニティであるJAWS-UGに参加したことがきっかけで知りました。JAWS-UGで構成図を作るセッションがあったのですが、そのときにCacooのAWSアイコンを使って作図をしていました。それを見たきっかけから社内で利用されるようになりました。
―――既存ツールからCacooに移行した経緯について教えてください。
柳瀬氏:現在の主力事業であるAWSのインテグレーション事業がはじまったタイミングでCacooの利用を開始しました。CacooはAWSのアイコンが元から入っているので、使い勝手が良いと感じたためです。
Cacooに移行する前はインストール型の作図ツールを利用していました。しかし、社内でクラウドの利用を積極的に取り入れる動きが強くなったので、Cacooのようなクラウドサービスの方が馴染みやかったというのも理由の一つです。
AWS構成図から運用体制図まで、営業と開発におけるすべての図をCacooで作成
―――Cacooを導入した決め手は何でしたか?
柳瀬氏:使い勝手の良さですね。CacooはAWSのアイコンに加えて、内部的なバージョン管理ができて、チームメンバーに共有しやすいので、弊社のように開発と営業の間で使われることが多い企業に向いています。以前利用していたツールはインストール型だったので、編集できるメンバーが限られてしまったり、共有しづらかったりという問題がありました。
―――開発部と営業部の間で具体的にどのようにCacooが使われているのですか?
柳瀬氏:基本的に、弊社はエンジニアと営業の間に垣根がありません。なので、営業でも構成図を描く機会はとても多いんです。
佐竹氏:弊社の営業は自分で図を描いてから開発者に共有するというパターンが多いです。具体的に、お客様から提示された条件をもとに営業側でAWSの構成図をCacooで作成して、開発者に渡します。開発者からフィードバックをもらったらそれを反映して、お客様のもとに提案しに行く、というような流れですね。Cacooにはリンクで図を共有できる機能があるので、開発と営業の間でのこれらのパス回しはチャットツールでリンクを共有して行なっています。
生井氏:お客様との商談でその場で要件をお伺いして、その内容をCacooで図を描いて提案する、ということもよくありますね。そして、会社に戻ったら見積書の下に構成図を貼って開発者に確認してもらっています。ざっくりした構成は営業が考えて、細かい要件を詰めていくのがエンジニアというような役割分担をしています。
小林氏:生井が言うように、お客様との商談の場で直接Cacooを使って図を描く、というのは弊社の営業だと多いですね。お伺いした要件で今の構成からAWSに置き換えるとこうなりますという提案を目の前で行なっています。その方がお客様もイメージが湧きやすいので、商談も円滑に進むんです。
受発注のフロー図からSlackでトイレを予約するシステム図まで、幅広い用途の図をCacooで作成
―――具体的にどのような図をCacooで作られていますか?
佐竹氏:私がプロジェクトマネージャーを担当しているお客様に対して、AWS構成図はもちろんのこと、受発注と検収請求フロー図なども描くことがあります。
生井氏:お客様との契約のやり取りを図にすることも多いです。必要書類の明示などですね。
佐竹氏:営業と開発者以外の例で言うと、サーバーの運用保守チームがお客様に提示するフロー図もCacooで作成しています。お客様からどういう流れで要望を受け付けるかを明記したものです。
私はプロジェクトマネージャーとして、お客様に組織の運用体制を明示する必要があるので、運用体制図などもCacooで作成しています。運用体制図を作っておくことで、社内の他のメンバーも誰が窓口なのかすぐに理解できて便利です。
佐竹氏:あとは、社内開発でもCacooを使っています。例えば、弊社のIoT担当がSlackでトイレを予約できるシステムを作るための構成図をCacooで作成しました。弊社のエンジニアブログに掲載することが多いです。あとは社内のハッカソンでもCacooを使って図を描いています。
―――そうなんですね!具体的にどんなハッカソンをされているんですか?
佐竹氏:社内で2ヶ月に1度「RFP(要件定義)チャレンジ」という、営業と開発者が所属するクラウドインテグレーション部の全員でAWS構成図を作るチャレンジがあります。
「お客様からxxxという条件でシステムの実装が依頼されていますが、AWSでどのように実装しますか?」というお題が取締役から投げられて、1時間という制限のなかみんなが集中して図を作って提出するという内容です。図の作成と提出はもちろんCacooで行っていて、1日で30から40の図が作られていますね。
生井氏:作られた図は取締役が目を通して確認します。弊社は開発と営業の距離が他の企業よりも近いとは思うので、連携は取れている方だと思います。でも、同じ議題に対して、営業と開発者だと考え方は異なるので、その違いを知ることはとても勉強になりますね。
営業はお客様に第一段階として見せる図を描くことが多いので、技術に一番近い開発者が考えていることを参考にして資料に反映できるのはとても助かっています。
―――営業以外だとCacooはどのように利用されていますか?
営業部 マーケティングコミュニケーション課 鈴木楓(すずき・かえで)氏:マーケティングではCacooを使って社内のクラウドサービスのソースコード連携やウェブページで獲得したリードのフローなどを作成しています。具体的に、業務を引き継ぐときに言葉でいうよりも視覚で伝えた方がわかりやすいということで利用しています。
社内・社外でのウェブ会議でCacooを活用。図をみながら話すことでお互いの認識のズレを是正する
―――Cacooを導入したことで業務における変化はありましたか?
柳瀬氏:仕事の進め方が大きく変わりました。インストール型の作図ツールだと、ファイルを共有するときに、ファイルサーバーにファイルを置いて、その場所をメンバーに共有して、編集が終わったら確認して…という具合に、1つの作業に費やす時間があまりにも多くて。Cacooは共有時の煩雑さが無いのでとても便利です。同時編集にも対応しているので、共有のやりやすさでは特に効果を感じています。
共有時もリンクを送れば完了するので便利ですね。相手がどんなソフトをダウンロードしているのか気にする必要がありません。
佐竹氏:あと会議の仕方も大幅に変わりましたね。弊社は対面での会議よりもウェブ会議が多いのですが、Cacooで一緒に図をみながら進めることが多いです。そうすることで、認識のズレなどを防ぐことができます。
―――ウェブ会議でつなげながらリアルタイムで共同編集をされることはありますか?
佐竹氏:あるお客様の「構成図を一気に描く会」というのを定期的に実施しています。その時は複数人で一気に図を共同編集しています。基本的には、リアルタイムよりもパス回しをして時間差で編集することの方が多いですね。リモートで伝わりにくくて、時間も限られているときには重宝していますね。
―――Cacooを使いこなすためのTipsやヒントがあれば、教えてください。
佐竹氏:AWSの図はAWSアカウントがあって、VPCがあって、というのがデフォルトで決まっているので、雛形を作ったらそれをコピーして再利用しています。そうすると、顧客先でお客様から要望があって図を編集することになったときに、すぐに対応できるので便利なんですよ。
―――今後のCacooの活用計画を教えてください。
佐竹氏:Cacooはオンラインであればどこからでも使える気軽さが特長だと思います。作業の効率性を高めるツールだと思うので、社内だけでなく、お客様とも一緒に活用していきたいです。
―――ありがとうございました!